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消えた街
消えた街(きえたまち)は、中央区域にある街。
大きさの揃った縦長の家が並び、綺麗な柄のある道も美しく、それなりに人口もあるにぎやかな街でした。
昔はきちんと街の名前もあったのですが、今ではもう誰もその名前を知りませんし、呼ぶ事もありません。
街は、町の長が投票で決められ、きちんとした秩序のある街だったことが確認されています。
いくらかの畑があり、澄んだ川も流れており、街のはずれには小さな教会がありました。
そんな平和だったはずの街が一夜にして壊され、住民もすべていなくなっていました。
街のいたるところが壊され、ついさっきまでそこに人がいたような家具や使われたままの食器、そしてそれらのそばには人や動物のおびただしい血痕がありました。
その恐ろしさは、調査に入った近隣の街の男性たちはその身を守るために、人がいない事だけを確認して早々に帰るほどでした。
街はずれにある教会には当時若い女性が住んでいたのですが、その女性の行方もわからないままです。
現在はもう誰もその街にも、その教会にも立ち寄るどころか近寄る者もいません。